シリカ充てんポリイソプレンの熱処理による高次構造変化
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概要
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疎水化度の異なる3種類のシリカとポリイソプレンを溶液法により混合してゴムコンポジットを作成し, コンポジット中のバウンドラバー構造と疎水化度の関係及び熱処理によるバウンドラバー構造の変化を主としてパルス法NMRの測定結果をもとに検討した. バウンドラバーは充てん剤周辺の運動性に富む相(loose 相)と運動性がかなり束縛されている相(tight 相)より構成されており, シリカの疎水化度が高くなるにつれて loose 相, tight 相の運動性は増加する. コンポジット中のバウンドラバー分率はシリカの疎水化度が低いほど, すなわちシリカ表面のシラノール基量が多いほど高い値を示す. 疎水化度の低いシリカを充てんしたコンポジットを減圧下で熱処理するとバウンドラバー量が増加するとともに loose 相の一部は tight 相へ移行し, loose 相, tight 相の分子運動性は低下する. このような変化は熱処理温度依存性を示す. しかし疎水化度の高いシリカを用いた場合, 上記の変化はほとんど認められない. 熱処理による高次構造変化はシラノール基とゴムの相互作用によりゴムが不安定になり分子鎖切断が生じたためと推定した.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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