画像所見に基づく潰瘍性大腸炎治療法の変遷
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概要
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炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease;IBD)には潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis;UC)とクローン病(Crohns disease;CD)があり,およそ40年前までは欧米にのみに存在する腸管難病と考えられていた.近年,本邦においても罹患数,累積患者数は急激に増加し,現在ではUCは12万人,CDは3万人を超し,いまなおさらなる増加が予想されている.両疾患とも,進学,就職,結婚,出産と人生にとって最も未来に輝く10-20代の若者に,主に下痢,血便,腹痛,発熱などの症状で襲う原因不明の慢性免疫異常の疾患であり,いまでも根治が難しいのが現状である1).これまでは,5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA),ステロイド剤,免疫調整薬,栄養療法といった限られた製剤等が治療の主体であったが,最近10年で疾患に関わる特異的分子に対する抗体(生物学的製剤;Biologics)を用いた治療が両疾患に応用されるようになり,治療体系が一変している2).一方,治療法の選択決定にはUC,CDいずれにおいても病型,臨床活動度とともにさまざまな画像診断モダリティーによる活動度評価もきわめて重要である.また,UC合併大腸腫瘍の内視鏡スクリーニングについても現在,活発に議論されている.本稿では,日進月歩の画像診断モダリティーがいかにUCの治療法決定に用いられてきたか,その変遷も含め解説する.膨大な過去の文献の中からできるかぎり多くの代表的なものを抽出するよう努めたが,より詳細な解説は他稿を参照されたい.
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