キシレン変性メラミン樹脂とSBRとの相溶性について
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概要
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本報においては, 主として自由ねじり振動法の測定結果よりキシレンホルムアルデヒド樹脂 (以下キシレン樹脂とす) 樹脂で変性したメラミン樹脂とSBRとの分散相溶性について考察した.キシレン変性メラミン樹脂を変量増加させながらSBRに添加し加硫したゴムについて, 分散相溶の尺度として対数減衰率の温度依存性および剛性率の温度依存性などの力学的性質を測定した. その結果, SBRに対してキシレン変性メラミン樹脂は完全相溶分散の効果が少ないため添加量を増しても対数減衰率の極大値を示す温度位置の移動は起らず, 60PHR, 100PHRの如く比較的多量に添加した場合のみ僅かに高温側に移動することが認められた. また位相差顕微鏡によれば, 樹脂がゴムに対して部分的に相溶し, かなり小さな粒子径となって, 良好な分散性を示していることが観察された, これらのことから樹脂の分散状態は樹脂の影響を受けたゴム部分 (仮に樹脂相とする) と樹脂の影響を全く受けていない純ゴム相とが混在しているような, 一種の不均一分散系であると考えられる.