春の渡り時期におけるハヤブサの捕食成功率
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概要
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春の渡り時期にハヤブサ Falco peregrinus の捕食成功率を明らかにする目的で広島県大竹市の海岸で調査を行なった.調査は1991-2011年まで,2000年と2005年を除く,のべ19年間に146日行ない,ハヤブサの捕食行動は115日観察した.ハヤブサの狩りはヒヨドリ Hypsipetes amaurotis を狙った攻撃が多かった.記録の多い海上における成鳥雌雄のヒヨドリに対する捕獲成功率は,雌は68%,雄は89%と雄の捕獲成功率が有意に高かった.ヒヨドリに対する捕獲成功率の違いに影響する要因としては,平均攻撃回数が雌が6.2回だったのに対して雄は2.8回と少なく,体の小さい雄の方が小回りがきき,退避行動をとるヒヨドリにうまく追従して攻撃したことが考えられた.