稲熱病に関する生化学的研究(第10報) : 稲熱病菌の生理化学的分類に就いて(その7) 稲熱病菌のビタミンB群の生成に就いて
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概要
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著者等の行っている群別の代表的稲熱病菌を使用しビタミンB群生成に関する実験を行い次の如き結果を得た. (1) D群菌株(ビオチン及びチアミンを必須とする菌株)を完全培地(チアミン1γ/ml含有)に25°, 14日培養し,培地中に添加したチアミンの39.36〜70,78%が培養液中に残存し, 20.54〜47.75%が菌体に移行し, 8.90〜14.88%が培養中に分解される. (2) B群菌株(チアミン欠培地で繁殖し得る菌株)をチアミン欠合成培地で,又C群菌株(チアミン欠ニコチン酸添加培地で繁殖し得る菌株)をチアミン欠ニコチン酸添加培地で培養した際,これ等は夫々の培地でほとんどチアミンを生成しない. (3)代表的6菌株を合成培地に培養しその培養濾液中にリボフラビン,パントテン酸,葉酸,ビタミンB6群を生成する事を確めた. (4) A群菌株(ビオチン欠培地で繁殖し得る菌株)をビオチン欠乏の状態でアスパラギン酸添加培地に培養した場合は完全培地以上の繁殖を示すが, D群菌株はアスパラギン酸添加の効果がほとんど認められない. (5)グルタミン酸,アスパラギン酸を炭素源とした場合はA群菌株及びB群菌株がD群菌株よりその利用度は良好である.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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