パン酵母に及ぼすビタミン効果の研究(第4報) : 世界パン酵母のビタミン含量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
世界12カ国より集められた47株のパン酵母株及び4株のパン酵母以外の酵母株を甘蔗廃糖蜜,硫酸アンモンを主体とせる培地によって通気-硫加培養を行ない,菌体内の7種類のビタミン(ニコチン酸,Ca-パントテン酸,ビオチン,チアミン,リボフラビン,イノシトール,ピリドキシン)の含量をbioassay法で定量して比較検討した. (1) パン酵母株は各ビタミンとも同程度の含量を示し,パン酵母以外の酵母株における含量とは差異が認められる. (2) パン酵母内ではビオチン, Ca-パントテン酸,チアミン,イノシトールを要求する(1)型に属する酵母はビタミン含量が一般的に低く, (3)型に属する酵母はビタミン含量が多く,特にイノシトール,ビリドキシンを多く含んでいる. (2)型酵母は(1), (3)型の中間であることが認められた. (3) ビタミン含量とパン酵母性能との関係は次のごとく認められた. (a) ニコチン酸を多く含み,リボフラビンを少く含む菌株が食パン性能が良好である. (b) イノシトールを多く含み, Ca-パントテン酸を少く含む菌株が菓子パン性能において良好である.