水稲のデオキシリボ核酸について
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概要
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本報告は,水稲葉からKirby法によってデオキシリボ核酸(DNA)を分離し,その主な理化学的性質をこうし胸腺DNAを対照として比較観察したものである. (1) 供試DNAはそのN, Pの含量およびN-P率,含有糖成分などから見ても,また紫外線や赤外線の吸収スペクトルからも,対照の胸腺DNAによく似ており,その純度はかなり高いと思われる. (2) 構成塩基にはアデニン(A),グアニン(G),シトシン(C),チミン(T)の他に5-メチルレシトシン(MC)が確認された.特に水稲DNAではMCの含量は大きく約3.5%である. (3) 塩基組成をみるとプリン塩基対ピリミジン塩基比は1でありA/T, G/(C+MC), (A+C+MC)/(G+T)の値もすべて1の近似値を示し,いずれも胸腺DNAと酷似である.それで水稲DNAはいわゆるWatson-Crickモデルを表わす例の一つと言えよう.
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