クロムなめしにおけるマスキング効果のポーラログラフ法による検討
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概要
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クロムと8種類のマスキング塩との混合液のポーラログラムを測定し,クロムなめしにおけるマスキング効果との関係を検討した.それらの結果はつぎのように要約できる. (1) 過塩素酸クロムは0.3モルの過塩素酸ナトリウム液中で2段の還元波(E1/2=-0.86V, -1.45V (S. C. E.))を示す. (2) 過塩素酸クロムを用いて, Cr3+イオンとマスキング塩とが形成する錯基イオンの挙動をポーラログラフ的に測定した. (3) ポーラログラフ法により得られた結果は,マスキング効果の差の説明には有力な参考になる. (4) マスキング塩がクロムのポーラログラムの第一波の波高にあたえる影響から,マスキング塩のクロムへの配位性はつぎの順序に増大すると考えられる. ギ酸塩<亜硫酸塩<フタール酸塩<酢酸塩<酒石酸塩<シュウ<コハク酸塩<クエン酸塩 (5) 亜硫酸ナトリウムは,クロム液との混合直後に異常なポーラログラムを示し,特殊な錯基を形成していると考えられる.
著者
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