繊維形成能を有するポリ-L-アラニンの合成に関する研究
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概要
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ヤママユガ系絹フィブロインの主要構造であるポリ-L-アラニンの合成について検討し,繊維形成能のある高重合物を得,さらにその繊維化を行って性能を調べ次の結果を得た. (1) N-カルボキシ-L-アラニン無水物の調製に際しては,使用する溶媒及び原料L-アラニンを高度に精製乾燥することに注意し,さらに溶媒の適当な選択及び実験操作について検討を加えて,精製物の収率を原料L-アラニンに対して73%にまで高めることができた. (2) N-カルボキシ-L-アラニン無水物の重合条件として重合用溶媒に精製乾燥ベンゼンを用い,溶解温度を50°,濃度を1.5%,重合温度を52°とする場合に最も極限粘度の高い([η]=3.12)ポリ-L-アラニンを得た. (3) ポリ-L-アラニンのジクロル酢酸溶液から水を凝固液とする湿式紡糸法により,容易に繊維化することができた.得られた繊維の性質は耐薬品性及び耐熱性にすぐれ,その繊維性能は繊度12〜24d,比重1.27〜1.30,乾強度1.4〜2.8g/d,伸度7〜12%,ヤング率600〜780kg/mm2,吸湿度RH 65%で6.2%であり,光沢及び触感は絹糸に類似していた. (4) ポリ-L-アラニンの繊維のX線回折写真を得て,ヤママユガ系フィブロインのそれと一致することを確認した.
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