乳業用乳酸球菌の栄養要求に関する研究(第1報) : 培地の緩衝剤およびアミノ酸源の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
乳業用乳酸球菌Streptococcus cremoris, Str. lactis, Str. diacetilactis, Leuconostoc citrovoyum,およびLeuc. dextranicumの代表的菌株のビタミン類およびアミノ酸の要求性を明らかにするため,まず試験培地の緩衝剤およびアミノ酸源について検討を行ない,次の結渠を得た. (1) 各種の有機酸塩を緩衝剤として使用した培地における菌の発育から, Lactic streptococcusには0.05〜1.0Mのコハク酸が最も効果的な緩衝能があることを確認した. (2) Leuconostocの場合にはとくに効果のある緩衝剤は見当らなかった. (3) 緩衝剤にクエン酸塩を用いた培地においてはいずれの菌も発育がきわめて悪かったが,これは微量金属イオンの不足によるものと推定される. (4) 試験菌株はいずれも遊離アミノ酸のみをアミノ酸源とした培地に発育する. Streptococcusではカゼインの酵素分解物が存在すると発育が著しく促進されたが, leuconostocではカゼイン酵素分解物の影響は余り認められなかった.