小麦グルテンに及ぼすγ線照射の影響(第6報) : 蛋白分解酵素に対する感受性,およびトリクロル酢酸濃度変化による分別蛋白の検討
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概要
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照射小麦グルテンについて,蛋白分解酵素「プロナーゼ」による分解度の変化,また試料の酢酸懸濁液中の蛋白をTCA濃度を変化させることによって分別し,それらの濾液についてCu-Folin呈色度および混濁度(420mμの吸光度で表わす)の変化を測定し,グルテン蛋白の照射変性を検討した. (1) 小麦グルテンは照射線量の増加につれて「プロナーゼ」によって明らかに分解され難くなることを認めた. (2) 照射線量の増加につれて,グルテン蛋白中に非蛋白性物質の増加を認めた.そしてこの物質の窒素単位量当りのFolin呈色度は線量の増加につれて増加することを認め,これらの物質は照射線量によって質的に異るものであると結論した. (3) 0.02Mの濃度において,照射試料のTCA分別液のCu-Folin呈色度および混濁度は,他の濃度における分別液の挙動とは著しく異っており,これらの結果からグルテンの酢酸可溶性蛋白部分(主としてグリアジンと考えられる)も照射によって変化し,特に600×104rep以上の高線量で著しいことを確認した.
著者
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