Gypsophila paniculata L. サポニンによるエマルションの安定性に対する電気化学的考察

概要

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Gypsophila paniculata L.起源のサポニンを添加した水-ケロシン系の界面張力を測定した.さらに,サポニンを0.1%含む水にNaClを添加した場合と, pHを変化した場合の界面張力の変化を測定した.同様の条件でエマルションを生成し,その動的安定性,粒度分布を測定した.サポニンは,水-ケロシンの界面張力を大きく低下させ, NaClは,逆に水-ケロシン系の界面張力を増大させたが, NaClは0.1%サポニン添加の場合の界面張力には変化を与えず,ニマルションの動的法による油層分離率にも変化を与えなかった.しかし,静的法による水層分離率は, NaClの濃度の増加に伴って増大し,エマルションの平均粒径も増大した.サポニン0.1%を含む条件で,水相のpHが4から11に上昇すると界面張力も約6mN/m増大した.しかし,このpH範囲では,エマルションの水層分離率は変化せず,イオン強度の高くなるpH 3以下12以上で水層分離率は増大し,平均粒径も増大した.今回用いたサポニンエマルションでは,その安定性は界面張力よりもバルク中のイオンの強さなど電気化学的な影響を強く受けることが結論された.
社団法人日本農芸化学会の論文