コーヒー植物体におけるトリゴネリンの生合成
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概要
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コナ種のコーヒー植物体を用いてトリゴネリンの生合成に関する研究を行い,以下のようなことが明らかになった. (1) 播種後30日目から180日目までの各生長段階において各組織中のトリゴネリン含量は,いずれもおよそmg/gのオーダーであり,この含量は生長とともにやや減少する傾向があった.またニコチン酸とニコチンアミドの含量は,トリゴネリンに比べると非常に低く,いずれもμg/gのオーダーであり,この濃度は生長の全期間にわたって,ほぼ一定に保たれていた. (2) トリゴネリン合成酵素は容易に抽出できず,組織を細かく刻んだものには活性があったので,まずそのような状態の各試料を用いてニコチン酸のトリゴネリンへの変換を調べた結果, 2年生植物体においては,葉にもっとも活性が高く,次いで未熟の果実,枝の順であったが,熟した果実には活性は検出されなかった. (3) トリゴネリン合成酵素の抽出法を種々検討した結果,抽出溶媒としてHEPES緩衝液(pH 7)に2-メルカプトエタノール, L-アスコルビン酸,ニコチン酸, EDTA,ウシ血清アルブミン,不溶性ポリビニルピロリドンを加えて乳鉢ですりつぶし,遠心分離して上澄み液を集め,それをセファデックスG-25でゲル濾過すれば,活性のある本酵素が安定な状態で得られることがわかった.このような粗酵素標品を用いて以下のような結果を得た. (4) 基質はニコチン酸とS-アデノシル-L-メチオニン,反応の最適pHは7.0,反応の最適温度は40°C付近(3時間反応),ニコチン酸に対するKm値は0.58mM,粗害剤は重金属イオンであった.
著者
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