リン脂質による乳化とその乳化状態の31P-NMRによる解析
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概要
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乳化状態におけるリン脂質の存在状態,乳化安定性の関連を明らかにするため卵黄PC, LPCの親水性headgroupの挙動を31P-NMRで解析した.半値幅は水相のpH,油粒子の大きさ,乳化方法などの影響を受け,それに伴い乳化安定性も変化した.とくにPC, LPCの等電点と考えられるpH付近での信号の広幅化や乳化後のクリーム層形成に伴う信号の変化が顕著であった.リン脂質を一定の濃度に調製し,重水-大豆油の系で乳化させたところ,比較的安定な乳化状態が得られたときはNMR信号の半値幅が80〜300Hzの範囲にあった.このことから,乳化の安定化には親水性headgroupが一定の動的状態にあることが必要であると考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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千葉 一裕
東農工大・応生科
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千葉 一裕
東京農工大学大学院連合農学研究科
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多田 全宏
東農工大農
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多田 全宏
東京農工大学農学部応用生物科学科生物有機化学研究室
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千葉 一裕
東京農工大学生物有機化学研究室
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多田 全宏
東京農工大学生物有機化学研究室
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