ガンマ線照射によるDNA塩基,デオキシヌクレオシドおよびデオキシヌクレオチドの変化
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概要
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それぞれ4種の, DNA塩基,デオキシヌクレオシド,デオキシヌクレオチドおよびDNA塩基とデオキシリボースの混合物(いずれも5×10-4M)に空気存在下ならびに窒素置換のもとで, 0.05Mradより2.0Mradの間で6段階の線量のレベルのγ線照射を行った. 照射検体のUVスペクトルの低下と,ペーパークロマトグラフィーによる残存成分の分離定量値の比較検討の結果, Ade系列およびCyt系列においては,窒素雰囲気中での照射の場合,塩基は遊離型のほうがデオキシヌクレオシドならびにデオキシヌクレオチドの型で存在するよりも安定であった.これは,従来の報告とは逆の知見である.そして, UVスペクトルの低下の傾向と残存量減少の傾向は,必ずしも一致しないことがわかった. Thy系列において,いずれの型の場合でも, Thyの放射線分解はかなり急速であるにもかかわらず,アンモニアの生成が僅少であったことより,環の中の窒素はアンモニアにはきわめてなりにくいことがわかった. 無機リン酸の生成からみたデオキシヌクレオチドの安定性は,プリン塩基を有するもののほうが大であった. CDスペクトルの測定結果に基づく, dCydとdCMPのコンフォーメーションの変化の比較では, dCydのほうが大であった.しかしながら,両者ともanti型からsyn型への転移は起らない.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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