Bacillus polymyxa No. 271の生成する粘質多糖の非ニュートン流動と動的粘弾性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Bacillus polymyxaNo. 271菌の生成する粘質多糖の非ニュートン流動および動的粘弾性について吟味を加えた. B.p. No. 271多糖は,低濃度で擬塑性流動,高濃度で塑性流動を示した.また,流動指数および構造粘性は,濃度増大に伴って大きくなった. B.p.No.271多糖は,アンドレード式に適合し,流動の活性化エネルギ-は濃度増大に伴って大きくなった.この結果,高濃度における分子鎖間二次結合は,キサンタンガムのそれとは異なることが明らかとなった.B.p.No. 271多糖は,ηに比較してGが大きく,tanδは濃度増大に伴って小さい値を示し,1.5%では0.5で,弾性に富む多糖であることがわかった.また,無機塩の添加およびpHを変えることにより,ηおよびGが著しく増大した. 主鎖が主としてα-1,3結合の多糖は,水溶液中で分子鎖が接近した状態で,分子鎖間に二次結合が形成されることが認められ,この特性は分子鎖がヘリックス構造をとっていることによるものと推察された. 終りに,終始懇篤なるご指導を賜った九州大学農学部食糧化学工学科野村男次教授,鹿児島大学蟹江松雄学長,農学部農芸化学科永浜伴紀助教授に厚く感謝の意を表します. また,B.p.No. 271多糖を提供していただいた明治製糖株式会社研究所(現在,全国トマト工業会)二宮英治博士に感謝の意を表します.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- Coryneform bacteria strain C-8の生成する粘質多糖の流動特性
- Coryneform bacteria strain C-8の生成する粘質多糖の2, 3のレオロジー的性質
- Bacillus polymyxa No. 271の生成する粘質多糖の非ニュートン流動と動的粘弾性