蜜蜂インベルターゼによるエルロースの消長
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概要
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野外の花蜜や花粉の混入を防ぐように設置したケージ内に蜜蜂を飼育し, 40%ショ糖のみを給餌して得た蜂蜜からインベルターゼ試料液を調製し,この酵素液による,ショ糖からの,一つの三糖類生成反応を調査した. (1) 酵素の基質特異性やゲルクロマトグラフィーにより,インペルターゼ試料液の性質や活性区分を,蜂蜜からのインベルターゼ試料液と比較して明らかにした. (2) 酵素反応の結果生成した一つの三糖類を単離し,性質,構造を調べて,エルロースであることが確認された.本糖は,非結晶性の甘味物質である. (3) 蜜蜂のインベルターゼはマルターゼ活性を示すβ-グルコシダーゼであり,グルコース転移酵素の作用がある.エルロースはこの転移反応によって,ショ糖のグルコース部分が,他のショ糖のグルコース部のC-4に転移して生成したものと考えられる.糖転移反応における酵素作用最適条件はpH6.0,温度30°C,ショ糖濃度0.25Mである. (4) 蜂蜜生成過程において,蜜蜂によるショ糖分解反応とエルロース生成反応は,蜂蜜生成の比較的初期(6hr以内)に大部分行なわれ,熟成期の24hr以降の糖量変化は少ない.エルロースは,インベルターゼによって生成されるが,それ自身また分解される一時的生成物と考えられる.
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