細菌の計数分類に関する研究(第1報) : いわゆる“coryneform bacteria”のcomputer analysis (1)
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概要
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通常“coryneform bacteria”と呼ばれる細菌のうち,現行分類上genus Arthrobacter, genus Corynebacteriumおよびgenus Cellulomonasに含められている27細菌を対象とし,それらの持つ84個の性質を,それぞれ二状態,質的ならびに量的多状態性質として記号化し,そのoverall similarityに基づき,計数分類学用計算プログラム“NUTAX”によってcomputer analysisを試み,次の結果を得た. (1) 対象細菌のうち,genus Cellulomonasの5細菌は相互に極めて高い相似度を持つ細菌として1群を形成し,他の2つのgenusの細菌とは明瞭に区分せられた. (2) Genus Arthrobacterの12細菌も高い相似度を持つ独立した細菌群とみなされたが,この群はさらに群内で栄養要求性の有無で2つの亜群に分かれた.この点でBergeys Manua1 (1957)との一致がみられた. (3) Genus Corynebacterium10細菌のうち5細菌は比較的高い相似度で1群を形成するが,他の5細菌はこの群とは離れている.C. pyagenes, C. poinsettiaeあるいはC. insidiosumのように,今回の対象細菌のいずれとも相似度が低く,かつ群形成のみられないものも存在する. (4) 以上のことから,現行分類学におけるgenus Arthrobacterとgenus Cellulomonasは,一応homogeneousな分類群とみなされるが,genus Corynebacteriumは一部にかなりheterogeneousなものが含まれていると推察された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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