Rhodotorula属酵母によるグルコース代謝(その2)
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概要
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油脂生成能の高いRhodotorula属Rh-110,生成能の低いRh-103,それに比較のためCandida utilis, Saccharomycesを用いてG-6-PからEMP系,HMP系を経てピルビン酸まで分解させて量的な面から比較した.その結果,著者らが使用したメチレンブルーを水素受容体とする反応液では,Rhodotorula属は活性に差はあるが油脂生成能に関係なく,HMP系を経てピルビン酸を蓄積したが,Candida, Saccharomyces属では,ほとんど蓄積がみられなかった.しかしながら,R-5-Pからは蓄積したので,G-6-PからR-S-Pまでの分解段階にこのような相違のあることがわかり,反応液にさらにNADPHの直接の水素受容体となるphenazine methosulphateの添加でピルビン酸は蓄積した,このような結果はRhodotorula属にはNADPHに特異的なジアホラーゼ様酵素が存在することを示唆する. それゆえ,Rh-110の18,000×g上澄酵素液について硫安分別,燐酸カルシウムゲル処理を行なってNADPH: oxidoreductaseを部分精製し,その性質を調べた.この酵素は黄白濁していて酸性硫安処理でアポ酵素とFMNに分かれた,この酵素液は脂肪酸合成酵素活性とチトクロームc reductaseとしての活性を有していた.この両者の活性のうちどちらがNADPH: oxidoreductaseとしての活性を有するのかを確めるため,DEAEセルロースカラムクロマトグラフィーを行なってさらに分別したところ,脂肪酸合成酵素の方が活性を有していた. この結果から,脂肪酸合成酵素のうちFMNを含むクロトニール部分の還元酵素がNADPH: oxidoreductaseとして作用していると結論した. Rhodotorula属はG-6-Pの代謝にHMP系が主経路となることと,G-6-P dehydrogenase, 6-P-G dehydrogenaseにより生成するNADPHが共役するNADPH: oxidoreductaseが脂紡酸合成酵素の一都であったことから,Rhodotorula属Rh-110の油脂合成能との関係を考察した.
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