フォルムアルデヒドの縮合による糖生産に関する研究(第1報) : 水酸化カルシウムによる縮合
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概要
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本研究はフォルムアルデヒドのアルドール型縮合による発酵糖生産の可能性を検討するために着手された. 水酸化カルシウムの作用による縮合生成物につき次の結果を得た. (1) 必要にして充分な量の水酸化カルシウムの存在で,フォルムアルデヒドの濃度が4.05%(w/v)以下では濃度が増加するにつれて反応所要時間が短縮する. (2) フォルムアルデヒド1g当りの全糖収量はフォルムアルデヒド濃度0.81〜4.05%(w/v)ではほぼ一定である.この濃度範囲外では減少の傾向が認められる. (3) 反応混液に微量の単糖の添加は反応所要時間を短縮するのみならず全糖収量を増大する.調べた7種の単糖のうち,ケトースであるソルボース,フルクトースはアルドースよりもこれらの作用が著しい. (4) いずれの場合も発酵糖の生成はほとんど認められない. 文献記載の酸化カルシウムを用いた既往の実験を追試したが,発酵糖の有意義な生成量を見出し得なかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文