遺伝子工学的手法を用いて明らかになった脳由来神経栄養因子の機能
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概要
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脳由来神経栄養因子(BDNF)は発達期および成熟期の神経系において,多様な作用を及ぼすことが知られている。その作用機序解明には,BDNFを投与あるいは阻害するといった従来の実験生物学的手法が用いられてきたが,1980年代以降に発達した遺伝子工学の貢献度の大きさは甚だしかった。本総説では,これまで作出された遺伝子工学の発達による産物であるBDNF過剰発現動物,さらに,我々が作出した嗅覚系の感覚細胞である成熟嗅細胞が特異的にBDNFを過剰発現するラットの解析によりもたらされた主要な知見を述べる。加えて,ウイルスベクター注入技術を用いたBDNF過剰発現研究を紹介する。これらの遺伝子工学的手法の発達がもたらした研究により,多岐にわたるBDNFの機能についての理解がさらに深まった。
著者
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高見 茂
杏林大学保健学部解剖・細胞生物学教室
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長谷川 瑠美
杏林大学保健学部解剖学教室
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高見 茂
杏林大学保健学部解剖学・細胞生物学研究室
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塩田 明
株式会社フェニックスバイオ宇都宮事業所
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長谷川 瑠美
杏林大学保健学部解剖学・細胞生物学研究室
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