トマト果実の着色に関する研究 (第4報) : 果実被袋による色素含量の変化について
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概要
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トマト果実に赤,緑,青,黒の着色セロファンおよび黒,赤,白,透明のビニール被袋を行ない,これに標準区を加えて,果実の色素含量および果実の若干の形質におよぼす影響をみた。実験は京都大学農学部および信州大学農学部において1958年に行なつた。 1.果実に着色セロファン被袋をして10°C, 20°C各人工照明,20°C, 30°C各自然光線+人工照明の制御温室に貯蔵した場合,果実の色素含量におよぼす温度の影響はみられたが,セロファンの色の影響はみられなかつた。20°Cに貯蔵されたものは色素含量が多く,特に自然光線と人工光線とを併用したものに多かつた。 2.果実の各部位による細胞内の色素粒の観察では,果実の側部果肉にカロチンの黄色粒が多く,果頂部および果心部の果肉ではリコピンの赤色針状結晶が多かつた。特に果心部に多かつた。 3.ビニール被袋による果実の成熟期間は透過光線量の大なるほど短く,すなわち透明袋区が最も短く,黒袋区が最も長かつた。 4.開花後35日,60日および55日の果実の色素含量は,白袋区において葉緑素,カロチン,リコピン,キサントフィルともに標準区および他の被袋区よりも多く,黒袋区は各色素とも少なかつた。 5.果実中の各色素は遮光によつて影響を受けるが,カロチソは最も影響を受けて減少し,リコピンは最も影響が少なかつた。色素の生成について必要な光線量は自然光線の約30%あれば充分であると考えられる。 6.被袋区の果実重量は標準区に比して小さく,特に黒袋区,透明袋区は小さく,かつ障害果が多かつたが,白袋区は標準区とほとんど変らなかつた。乾物率,pHは標準区において高かつたが,糖分含量は白袋区において最も高かつた。
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