タマネギの採種に関する研究 (第1報) : 結実に及ぼす降雨と湿度の影響
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概要
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タマネギ採種上,天候特に降雨と多湿が,どのように結実に影響しているかを究明するため,ならびに花粉の発芽率,開葯までの時間などについて試験を行なつた。 1.自然条件下での結実は開花直後から1-2日の連続降雨では障害が少なく,1日後からの2日間連続降雨は被害が大きい。 開花後1日目から3日間連続降雨に遭うとほとんど結実しなかつたが,3日間連続降雨のうち,5時間内外花が乾燥し,開葯,訪虫があれば結実率は余り低下しなかつた。 2.人工降雨下での結果も同様で,開花後3-4日目頃の連続降雨が,受精期間のピークに当たつていて被害が大であり,夜間,昼間4時間,隔日24時間など一定間隔での断続降雨では,余り結実率の低下を生じなかつた。 3.開葯速度は温度,湿度が大きく作用して,35°-40°Cでは6-20時間で葯が裂開したが,25°Cでは約2倍,20°Cでは4倍の長時間を要した。 関係湿度70%以下では,大差ないが,80%ではややおそく,90%では2-3倍長く要し,100%では全く開かなかつた。 4. 10種類の梅雨期に咲く植物の花粉の耐湿性を比較したが,100%下でも発芽率の低下しないもの2種,比較的強いもの3種,多湿下で早く発芽力を失なうものは,タマネギも含め5種であつた。90%では余り低下しなかつた。 5. 11種類の植物について人工降雨下での結実率を比較したが,連続4日間降雨でも,ほとんど低下しない植物2種,降雨中全く結実しない植物5種,2-3日間の降雨では障害の少ない植物は,タマネギを含め4種であつた。 6.雨除けの効果は,結実率に対してよりも,結実後発生する花球部分における病害の被害を抑制しあるいは薬剤の効果を維持する点などに及ぼす影響の方が大きいようである。
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