生長素散布によるキクの開花抑制に関する研究(第5報) : しゃ光とNAA, ジベレリンとの組合せ
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概要
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1. 秋ギクの3品種, 岡山平和, 松の誉, 新東亜を用いて種々の花芽発育段階からのなし光による低光度が生長と開花におよぼす影響を調べ(1958), ついで岡山平和について低光度とオーキシンおよびジベレリンの散布との組合せが生長と開花におよぼす影響を調べた(1959〜1960)。2. 自然日照の25〜30%光度では岡山平和の生長と開花は花芽分化前からの処理でともに抑制された。花芽分化後では生長に影響なく処理時期がおそいほど花芽の発達に対する抑制は小さく, 発蕾後5日目からの処理では開花にほとんど影響なかつた。松の誉と新東亜の発蕾は花芽分化期からの処理でも抑制された。3. 6〜9%光度では岡山平和の生長と開花はともにさらに抑制されたが, 発蕾後15日からの処理は開花に影響なかつた。4. 25〜30%光度の処理を花芽分化前からおこないNAA (50ppm), ジベレリン (50ppm), NAA (50ppm)+ジベレリン (50ppm) の散布の影響を見た。同じ光度では発蕾に対して NAA+ジベレリンの抑制が NAAの抑制より大きかつた。自然日照と低光度との比較ではNAA, NAA+ジベレリン両散布とも低光度下で発蕾に対する抑制が著しかつた。ジベレリンは光度のいかんに. かかわらず発蕾に影響なかつた。5. 33〜38%光度では花芽分化前からのしゃ光によっても生長が促進され, 発蕾に影響なかつた。NAA とNAA+ジベレリンとの発蕾に対する抑制は低光度下で著しかつた。ジベレリンは自然日照下では発蕾を促進したが, 低光度下では影響なかつた。6. NAA, ジベレリン, NAA+ジベレリンの各散布の生長に対する作用が光度によつてどのように影響されるかは明らかでなかつた。7. しゃ光により舌状花弁数が減少した。
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