リンゴ粗皮病に関する研究 (第8報) : 砂耕培養液中のマンガン濃度と台木類のマンガン含有量との関係
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概要
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1965年に, 川砂を詰めた20cm素焼鉢に, ミツバカイドウ, マルバカイドウおよび紅玉実生の各2年生苗を植えこみ, 5月上旬より9月上旬まで, 隔日ごとに0.5ppm, 30ppmのマンガンを添加した培養液を砂面灌漑して, 処理による台木の樹体各部位のマンガン含有量の相違を比較検討した。1. マンガン0.5ppm添加区(模準区)と30ppm添加区 (処理区) を比較すると, 高濃度のマンガン添加処理により, 3種の台木とも, 各部位のマンガン濃度が著しく高まつた。2. 標準区および処理区ともに, 葉と1年枝, 2•3年枝, 太根の皮部におけるマンガン含有量は, ミツバカイドウが最も高く, 次いでおおよそ紅玉実生, マルバカイドウの順であり, ことにミツハカイドウとマルバカイドウとの間の差は顕著であつて, 統計分析の結果も, 両者間には高い有意差が認められた。3. 一方, ミツバカイドウの細根のマンガン含有量は, 他の2種の台木のそれにくらべて低かつた。ことに処理区における紅玉実生およびマルバカイドウの細根のマンガン含有量が異常に高く, そのためミツバカイドウとの間に顕著な差を生じたが, これは高濃度マンガン処理による根の Mn++ の積極的吸収と蓄積によるものであろう。4. 細根が主として養水分の吸収をつかさどるという考えからすると, ミツバカイドウと他の2種の台木の間に認められる, 細根以外の部位におけるマンガン含有量の相違は, 細根のマンガン吸収力の強弱よりは, 他の原因•機構に基因するものと推定されるので, このことについて若干の考察を行なうとともに, その解明は今後の研究にまつことにした。
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