ナシヒメシンクイの防除に関する研究 : Macrocentrus ancylivorus ROHWER の寄生性

概要

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ナシヒメシンクイの生物的防除の一環として, それの有力な寄生蜂である M. ancylivorus を輸入し, 手初めに寄生性を検討した。得た結果は次のとおりである。1. 輸入個体は福島県園芸試験場飼育室で順調に羽化して, 雄313, 雌345を得た。2. ナシヒメシンクイに対する M. ancylivorus の接種方法は, 寄主を食入させたリンゴ果肉小片を接種箱の上層部に針金でつり, これに寄生蜂を放飼する方法がよく, モモの心折れ新梢を用いる方法がそれについでいた。3. 接種には輸入第1世代は44時間内外をかけたが寄主数に対する寄生蜂羽化数の百分率からみると, 24時間程度でよいようである。4. M. ancylivorus の1世代発育経過日数は, 輸入後第1世代で21〜28日, 第2世代で35.5〜66.5日で秋末になるにしたがい長くなる傾向を示した。5. M. ancylivorus は雌の比が高く, 輸入後第1世代では約1.1倍, 第2世代では約1.7倍であつた。