温州ミカンの食味評価 (第1報) : 主成分分析による市場ミカンの形質の解析
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概要
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温州ミカンの食味評価に適切な指標を得るため, 全国主要産地のミカンを対象に1967年より3年間にわたつて一般的特性値を計測し, データの解析に主成分分析を試みた.大きさおよび物理的特性値は, 食味の構成因子である成分特性値とは相関が低く, 食味評価の指標とはなりえない.主成分分析により, 二次元において市場ミカンを類別でき, 要因別に形質の変動する姿をとらえることができる.計測した17特性値のなかで最大の品質情報をもつ方向に, 食味の主要な刺激である「甘さ」と「すつぱさ」の成分因子にあたる全糖と遊離酸が位置し, BxとpHもほとんど同じ傾向を示す.全糖は回帰式によつてBxからかなり正確な推定値が得られる. 遊離酸もpHから求めた推定値はやや信頼性に乏しいがおおよその目安になる. したがつて, BxとpHは食味評価の指標として十分可能であることを示唆する.
- 園芸学会の論文