テッポウユリりん茎の生育反応に関する研究 : IV. 仔球の出葉に及ぼす温度, 光の影響
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概要
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25および15°C暗黒下で1973年8月15日から5か月間 scaling して形成された仔球を用い, 出葉におよぼす生育温度および光の影響を調べた. 直径10mm以上の仔球を25, 20, 15および10°C恒温室において, 連続照明下 (明区) ならびに暗黒下 (暗区) で75日間生育させた.葉状りん片, 普通葉の発生はともに高温ほど早く, かつピークに達する日数は少なかつた.葉状りん片率は scaling 温度, 生育温度にかかわりなく暗区より明区で高かつた. 明区においては, 15°C scaling 仔球では生育温度のいかんにかかわらず葉状りん片率はほぼ同じであつたが, 25°C scaling 仔球では生育温度が低いほど葉状りん片率が高かつた. 15°C scaling 仔球では25°C scaling 仔球より葉状りん片率が高かつた. 暗区においては, 生育温度10°Cでは他の温度下より葉状りん片率が高く, とくに実験後期に急増した.抽台率は生育温度25°Cでは scaling 温度, 明暗にかかわらずほぼ同じであつた. 生育温度20, 15および10°Cでは15°C scaling 仔球より25°C scaling 仔球の抽台率が高かつた. 生育温度20および15°C区では暗より明区の抽台率が高い傾向がみられた.以上の結果から, テツポウユリ仔球の出葉に関して, scaling 温度が高い場合には低い場合と比べて葉状りん片の発生が少なく, かつ抽台が多いこと, 光は葉状りん片の発生を促進し, この光の働きは低温のもとで著しく, この傾向は高温 scaling 仔球において顕著にあらわれること, 葉状りん片の発生しにくい暗黒下においても, 低温 (10°C) は葉状りん片の発生を促進することが明らかとなつた.
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