カンキツ類の珠心胚形成に関する研究 (第2報) : 花らいの胚珠における珠心胚始原細胞の形成とその分裂能力
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概要
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カンキツ7品種を用いて, 組織学的方法および胚珠培養法により珠心胚形成の機構を調べた.珠心胚始原細胞はトロビタオレンジにおいては, 開花4日前の胚珠で観察された. 又, 他の多胚性品種においては, 開花期の胚珠で観察された. しかしながら, 本実験に用いた単胚性品種においては, これらの細胞はいかなる発育期の胚珠においても全く観察されなかった.花らいや幼果から取り出した胚珠を培養した結果, 多胚性品種からのみ珠心由来の胚様体が形成された. 単胚性品種で形成された胚様体は受精卵由来であった. 多胚性品種の胚珠培養から形成される胚様体は, 珠心胚始原細胞か珠心胚始原細胞に発育する能力があると思われる細胞かのいずれかに由来した. 又, この胚様体はショ糖のみを含んだ寒天培地でも形成された. これらの結果に基づき, 珠心胚形成の機構について論議した.
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