カラタチ-バヒアグラス間作の根圏における VA 菌根菌菌糸の分布
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概要
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植物間のVA菌根(VAM)菌菌糸の分布状態を観察するために, 特別なアクリル製のルートボックスを用い, 温室内で実施した.このルートボックスは, 中央部に枠(37μメッシュのナイロン製フィルムを張り付けたものであり, 根の侵入は防げるが, VAM菌の菌糸は通り抜ける)を2面(枠間の長さ2cm)設けて, 3区分したものである.この外側の区分には, それぞれカラタチ, バヒアグラスを移植し, 中央部にはGigaspora margarita胞子を接種した.接種3カ月後, 両植物の根圏における菌糸分布をCCDカメラや走査型電子顕微鏡で観察するとともに, 両栽植部における菌糸密度, 菌根感染率並びに新しく形成された胞子数を比較調査した.その結果, いずれの植物の根圏においても菌糸, 胞子などを鮮明に観察することができた.しかし, バヒアグラス栽植部の菌糸密度, 菌根感染率および胞子数はカラタチ栽植部と比較して高かった.バヒアグラスおよびカラタチ根から浸出される物質がG. margaritaの菌糸生長に及ぼす影響を調査したところ, いずれの根浸出物も菌糸生長を促進した.しかし, この傾向はカラタチ根浸出物区よりもバヒアグラスの方が大であった.以上, 本実験ではカラタチ-バヒアグラス間作の根圏におけるVA菌根菌菌糸の分布状態を詳細に観察することができた.菌糸は植物間の相互連結を伴うネットワークシステム形成に関与しており, 根からの浸出物はそのシステムの形成や発達に影響を及ぼしていると考えられる.
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