異なる施肥濃度で栽培されたモモ白鳳の果実に含まれるアミノ酸含量が食味に及ぼす影響
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概要
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モモ白鳳果実におけるアミノ酸含量と食味の関係を明らかにするため, 窒素を40ppm(L区), 80ppm(M区), および160ppm(H区)含む総合液肥で栽培した果実について, 果汁の成分分析と味覚テストを行った.H区の成熟果実の果汁は, 他の区よりもTSS含量が低く, 滴定酸含量が高かった.アミノ酸は, アスパラギン, セリン, スレオニン, アルギニン, アスパラギン酸が主要成分であり, 施肥濃度の高い区ほど濃度が高かった.果汁の食味試験の結果, H区では甘味が劣り, 苦味と酸味が強かった.L区はM区と同程度に甘かったが, 総合的食味はM区で最も優れた.各処理区の果汁と同じ濃度のアミノ酸水溶液の食味を官能評価した結果, アスパラギンとアルギニンは甘味と苦味を, セリンとアラニンは甘味を, アスパラギン酸とγ-アミノ酪酸は酸味を, スレオニンは苦味を示した.イオン交換樹脂によりアミノ酸を除去した果汁に, 各アミノ酸を各区の濃度で個別または累積的に添加した結果, セリンおよびアルギニン, アスパラギンは各区の甘味とM区の旨味を強めたが, H区では苦味も強めた.アスパラギン酸は各区の酸味とM区の旨味を強めたが, H区では苦味も強め, 総合的な食味を低下させた.以上の結果から, アミノ酸はモモ果実の食味を改善するが, 高濃度の施肥をするとアスパラギンやアルギニンが高くなりすぎ, 苦味が強くなるために食味が劣ると考えられる.
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