ブドウの芽の自発休眠誘導に対するグルタチオンの役割
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概要
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ブドウの芽の自発休眠誘導をコントロールしていると考えられる低温およびABAと,生体内の酸化還元反応を担っているグルタチオンとの関連を検討した.1.休眠誘導が超こっていない時期から,ポット植えブドウ樹を高温処理(昼温30℃/夜温25℃)および低温処理(同20℃/15℃)したところ,高温処理区で自発休眠は誘導されなかったが,低温処理区では自発休眠が誘導された.2.新梢のABA含量は,高温処理区で低い値で推移したのに対し,低温処理区では早期に増加した.還元型グルタチオン(GSH)含量は,高温処理区では高い値で推移したが,低温処理区では処理後から徐々に減少し,低い値で推移した.酸化型グルタチオン(GSSG)含量は,高温処理区では処理期間中低い値であったのに対し,低温処理区では処理開始後増加した.3.休眠誘導期以前にブドウのポット植え個体にABA処理を,また,同時期のブドウの切り枝にグルタチオン処理を行ったところ,ABA処理においては萌芽が著しく抑制され,芽の中のGSSG含量が増加した.さらに,GSSG処理した挿し穂ではわずかに萌芽の遅延が認められた.以上のことから,グルタチオンが休眠誘導と密接に関連していることが示唆された.
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