異なる台木におけるカンキツ若木の光合成, 分配および樹体生育の相違
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概要
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ウンシュウミカンの若木を用い, 14種類の台木を変えた場合の光合成速度の差異ならびに樹体の生育や分配率の変化を検討しその差異の原因について考察した.台木による光合成の差異をみると, 普通系カラタチと比較して向上した台木は, ′ポメロイ′, ′USDA′, ′ルビドー′などであった. 逆に低下した台木は, ′大葉′, ′バーネス′, ′サワーオレンジ′などであった. 光合成能力の変化の原因は, 気孔密度の変化などの形態的要因と共に, リブロース-1.5-二燐酸カルボキシラーゼ活性など生化学的要因の差異が考えられた.また台木を変えることにより樹体の生育はかなり異なり, ′ルビドー′台が最も旺盛な生育を示した. これは高い光合成能力を持つ葉が多く分化し, 樹体の総光合成量が高くなったことによると考えられた. さらに各器官への光合成産物の分配率も台木により相違し, ′ルビドー′台ではT-R比が最も高かった.
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