リンゴの開花日に及ぼす気象要因の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
リンゴ祝, 紅玉, 国光の各品種及び指標植物として供試したサクラの開花の早晩 (開花日数として表し,他発休眠に入る頃の2月1日から中心花2分咲きに達した日までの日数をとった.) と気象要因との関係を1963年から1987年の25年間にわたって調査した. 気象要因は気温, 地温, 日照時間, 風力, 初雪日, 消雪日である.<BR>1.気温については, すべての供試樹の開花日数と4月の平均気温との間にr=+0.592*~-0.831**の相関を示し, さらに2月から4月までの積算温度との間にr=-0.797**~-0.891**の相関を示した.<BR>2.地温と開花日数の関係については国光の深さ100cmの結果を除いて, すべての深さで4月の地温との間には負の相関関係がみられた. また12月, 1月では深さ100cmの地温との間には12月の祝を除いて負の相関関係がみられた. 12,1月における深い層での根の呼吸活性が高く, このことと開花日数の間に関連があると推察される.<BR>3.日照時間, 風力, 初雪日, 消雪日については消雪日と祝, 紅玉, 国光の開花日数との間でr=-0, 57*~+0.685**の相関がみられたが, 他の要因との間にはみられなかった.<BR>4.気象要因中, 開花日数と有意性の高かった2月から4月までの積算温度に100cm地点の1月の地温の要因を加味し, リンゴ各品種の重回帰式を求めた.その結果祝ではY=116.630-0.014XI-1.603×2,紅玉ではY=120.788-0.012X一2.519×2, 国光ではY=129.687-0.009×1-4.331×2となった. ただし, Yは開花までの日数, X1は2~4月積算温度, X2は深さ100cmの1月の地温である.