構造物による被陰がコマツナの生育に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.構造物による日照制限のコマツナの乾物生産に及ほす影響について調査し, 日照制限にともなう乾物生産の低下の数量化について検討した. 高さ5.3m,方位-18°の構造物の西側に1.5mおきに試験区を5区設定し, さらに構造物の被陰の影響を受けない対照区を設けた. 栽培は1989年初夏 (実験1) および秋(実験2) に行った.<BR>2. 2回の実験における気象条件について, 対照区の日積算光量子束密度は, 実験1では29.0mol•m<SUP>-2</SUP>,実験2では21.6mol•m<SUP>-2</SUP>となり, 実験1の74%であった.また平均地温は, それぞれ21.2°Cと17.5°Cであった.<BR>3.実験1における試験期間中の対照区の積算光量子束密度は, 756.1mol•m<SUP>-2</SUP>であり, 1区, 2区,3区および5区では, それぞれ対照区に対して, 60,72, 76および97%であった. 出芽後26日の対照区での全乾物重は, 1.94gであり, 1区, 2区, 3区,4区および5区では, それぞれ対照区に対して, 53,60, 79,76および94%であった. 実験2における出芽後25日の対照区の積算光量子束密度および全乾物重は, それぞれ539.7mol•m<SUP>-2</SUP>および0.77gであり,各試験区の積算光量子束密度および全乾物重の対照区の値に対する比率は, 実験1とほぼ等しかった.<BR>4.実験1および2において, 出芽後約2週間から,積算光量子束密度の相対値 (x) と全乾物重の相対値(y) の間には, y=-0.08+1.06x (r=0.92<SUP>**</SUP>)の相関関係が得られた. この関係式を用いることにより, 構造物による日照制限を推定すれば, コマツナでの被陰の影響による収量低下を予測することが可能となる.<BR>5.地上部乾物重ならびに葉面積の相対値と積算光量子束密度の相対値との間にも, 全乾物重と同様の相関関係がみられた. 一方, 乾物の分配割合および葉の厚さに及ぼす被陰の影響は認められなかった.
著者
関連論文
- ディファレンシャルディスプレイ法による塩生植物 Aster tripolium L. の塩ストレス応答性遺伝子の検索
- Attempts to Recover from Vitrification of Carnation during Micropropagation
- カリフラワー組織培養小植物体の成長,光合成および順化に及ぼす自然通気培養ならびに光強度の影響
- カリフラワー有糖培養苗の光合成能力および蒸散に及ぼす光強度とCO_2施肥の影響
- カリフラワー組織培養苗の成長と光合成に及ぼす通気培養ならびに培地ショ糖濃度の影響
- NaCl ストレス下におけるベニバナ, クリサンセマム・パルドーサム, ウラギクのイオン吸収, 適合溶質の蓄積および浸透ポテンシャル
- NaCl ストレス下におけるキク科花き植物の種子発芽および初期生育
- アスパラガス,テーブルビートおよびウラギクの発芽および栄養生長における耐塩性の評価
- 組織培養によるストックの大量増殖
- ストック及びウォールフラワーのプロトプラスト培養と電気的細胞融合の検討
- ハツカダイコン(Raphanus sativus L. radicula group)の生育に及ぼす構造物の被陰及びしゃ光の影響
- 構造物による被陰がコマツナの生育に及ぼす影響