カラタチにおける極わい性の遺伝および極わい性個体のGA<SUB>3</SUB>に対する反応
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
カラタチの系統の飛龍及び小葉系Cの後代に出現した2種類の極わい性(ロゼット型およびマッチ棒型)の遺伝様式について検討するため,カラタチ系統間の交雑や自殖により生じた個体群について,1年生時に苗の形態を調査した.苗の形態は直立型,屈曲型(飛龍型),ロゼット型およびマッチ棒型の4タイプに区分した.ロゼット型は節間長が1mm以下の極わい性のタイプであり,マッチ棒型は発芽時に茎と根がわずかに伸長し,その後はまったく生長しないタイプである.各個体群における苗の形態の分離状況から,ロゼット型の遺伝には1対の遺伝子が関与し,ロゼット型は劣性ホモの場合に発現すると推察された.また,マッチ棒型の遺伝には2対の遺伝子が関与し,2対とも劣性ホモの場合にマッチ棒型が発現すると推察された.ロゼット型はGA<SUB>3</SUB>処理に敏感に反応し,節間の伸長が認められたことから,ジベレリン欠乏個体と考えられた.マッチ棒型はGA<SUB>3</SUB>処理にまったく反応しなかった.飛龍の自家受粉により生じた個体群には高い割合(47%)で有性胚実生が含まれていた.その中のロゼット型個体にGA<SUB>3</SUB>処理を行った結果,枝の屈曲したものと真っ直ぐなものがあることが明らかになった.
- 園芸学会の論文