鼻性NK/T細胞リンパ腫におけるケモカインの発現とその役割
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概要
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鼻性NK/T細胞リンパ腫は鼻腔や咽頭に初発し,顔面正中部に沿って進行する壊死性の肉芽腫性病変を主体とするNK細胞あるいはγδT細胞由来のEBウイルス陽性悪性リンパ腫であり,病理組織学的には腫瘍細胞と炎症細胞浸潤が混在するという特徴を有する。本疾患におけるケモカインの発現とその役割に関する検討はほとんどなされておらず,腫瘍組織内に浸潤している炎症細胞が腫瘍細胞に与える影響や,腫瘍細胞が産生するケモカインと炎症細胞の関連についても報告されていない。我々の研究結果より,本疾患において特異的に発現しているケモカインが数種類同定され,一部のケモカインはオートクライン作用で腫瘍細胞の浸潤能亢進に関与していることが明らかとなった。また,これらのケモカインのパラクライン作用が,高度の炎症細胞浸潤に寄与している可能性が高い。さらに,生検組織を用いた検討で腫瘍細胞周囲に単球の集積を認めると共に,腫瘍細胞と単球を共培養すると腫瘍細胞の増殖が認められ,その作用はEBウイルス蛋白であるLMP-1を介していると考えられた。以上より,炎症細胞の中でも単球が腫瘍の増殖や進展に対して重要な役割を果たしており,腫瘍細胞から産生される一部のケモカインが単球の遊走を誘導していると考えられる。
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