冬期降水量の長期変動について
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概要
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本州北半を対象に過去50年間の冬季降水量の長期変動を検討した結果, 次のことが見出された。 (1) 長期変動の見られないのはごく一部の地域だけで, 大部分の地域では明らかに変動している。 (2) この変動は50年間を2つまたは3つの時期に分ける程度のもので, 各時期の多寡傾向の組合せにより4つの変動型に分類される。 (3) 不変動の型を加えた5つの変動型を設けると, 本州北半のほとんどの観測点はその何れかに属する。 (4) 気温も降水量同様に明らかに長期変動しており, 両者がよく対応する地域と無関係と思われる地域とがある。 (5) 冬季降水量の長期変動様式には顕著な地域性がある。表日本と裏日本とでは明らかに異った傾向を持ち, 表日本では全体的に一様な変動様式となるのに対して, 裏日本ではさらにいくつかの地域に分割される。 (6) 変動型の地域は南北に長いゾーンをなす。 (7) 気温と降水量がよく対応するのは脊梁山脈の両側で, 寒冬期には山脈の西側で多降水傾向にあり東側では逆に寡降水傾向を示す。また暖冬期には西側で寡降水, 東側で多降水となる。
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