中国雲南省安寧県における大規模工業開発と地域社会の二元構造
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概要
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安寧県は省都昆明市の近郊にある交通至便な地域で, 付近には豊富な地下資源を産出する。この立地条件を生かして, 新中国の発足以来, 国有企業によって重化学や軍需用の機械を中心とする工業開発が推進されてきた。この工業化によって, 地域社会は相当な都市化を遂げているように見えるが, 実際は次のような問題が存在する: (1) 国有部門と地方経済部門の間の大きな生産性格差, (2) 重工業部門の突出と商業サービス業などの未発達による産業構造の不均衡, (3) 国有企業の地域社会に対する閉鎖性とそれが生む企業経営の不効率。こうしたことから, 安寧県では長期にわたる開発投資による非農業人口の増加の一方で, 関連サービス機能をもあわせた均衡ある発達には至らず, 社会の二元構造が顕著になった。この二元構造の解消には, 地域開発のあり方を, 大工業孤立型から, 関連加工産業を連結し農業や商業の他産業の発達も誘発するような地域産業システムの確立が必要である。そして, 大企業が生産を受け持ち, 地方が生活関連部門を受け持つような補間体制の形成が必要である。
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