肝硬変における胃粘膜病変のプラスミノーゲンアクチベーター活性とその分別定量化
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概要
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肝硬変例の胃粘膜プラスミノーゲンアクチベーター (PA) 活性を測定し, 胃粘膜病変との関連を検討した. 胃粘膜にびまん性斑状発赤 (red spot) を有する肝硬変例 (RS (+) 群) は有さない例 (RS(-) 群) に比べ高頻度に他の上部消化管病変を合併し, 肝予備能の著しい低下が認められた. 総PA活性はRS (+) 群で健常対照群, RS (-) 群に比し有意に高値を示した. また Child 分類の重症例ほどPA活性は高い傾向がみられた. 分別定量ではRS (+) 群は健常群に比し Tissue type PAと Urokinase typePAの両分画とも有意に高値を示した. 以上より red spot を有する肝硬変例では, 胃粘膜局所の著しい線溶亢進が存在し, 消化管出血の一因として関与する可能性が示唆された.