ラットの実験大腸腫瘍における微細血管構築
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概要
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ENNG, MNNG, DMHの3種の薬剤を用い, ラットの大腸に腫瘍を作成し, その微細血管構築像について検討した (ENNGおよびMNNG; 注腸, DMH; 皮下注). 血管像は腫瘍の発育進展と共に変遷がみられた. その変化を決定する要因には, 腫瘍の大きさ, 腫瘍が内腔に発育するか, 水平方向に広がるか, 深部へ発育するかという発育の方向, 単純な病理学的深達度だけでなく, 腸壁の表層•中層•深層に占める随伴性の間質の変化 (線維性増生やリンパ装置の存在) も含めた癌の量, および浸潤形式が考えられた. 血管像は初期変化として, まず粘膜層の血管に変化がみられ, 次いで腫瘍の発育進展に伴い内腔へ突出したり, 水平に広がつたりしていた. 腫瘍が深部へと発育すると, 粘膜下の血管の改築, さらに中•深層の癌量の増加に伴い, 全層に及ぶ改築がみられた.