生化学的にみた消化管の分化の研究 : ラット胃体部および小腸粘膜上皮細胞の増殖と成熟的分化について
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概要
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胃, 小腸の粘膜上皮細胞の成熟的分化の様相を細胞の増殖と特異な機能発現との関連性から検索した. ラット胃および小腸粘膜を板上に伸展凍結し, 粘膜層を水平に薄切する. 14C-Thymidine の酸不溶画分へのとりこみを細胞増殖の指標とした小腸粘膜細胞に特異な酵素活性の発現を成熟度の指標として調べた. 胃では細胞増殖は被覆上皮下部および腺頚部でおこる. 増殖層から粘膜最表層まで, 細胞の移動時間は約65時間である. 増殖細胞が主細胞又は壁細胞に分化するには長時間を要する. 胃の指標酵素の活性域は組織学的にみた指標細胞の分布と一致する. 小腸では細胞増殖は腺窩部でおこる. 腺窩部から絨毛先端部まで, 細胞の移動時間は約48時間である. 小腸の指標酵素の多くは絨毛上部に活性ピークを有する.胃, 小腸粘膜上皮細胞は増殖層から粘膜層内を移動する過程で成熟的分化をとげることが示唆された.
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