水溶液中での石英板に対するサブミクロン粒子の付着と脱離

概要

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粒子径がサブミクロンオーダーの酸化鉄 (III) 粒子とヨウ化銀粒子の石英板への付着と脱離を長方形セルと光学顕微鏡を用いて重力場で水溶液中で調べた。粒子と石英板のゼータ電位は顕微鏡電気泳動法と電気浸透によってそれぞれ求め, 粒子の付着, 脱離現象をヘテロ凝集理論に基づいて検討した。粒子の付着を防ぐためのエネルギー障壁の大きさはいずれの粒子でも150〜200kTとなった。脱離のエネルギー障壁は物体間距離を4Åと仮定して計算した。こうして求めた障壁の大きさは界面活性剤不在系及び硫酸ドデシルナトリウム (SDS) の低濃度 (<1×10-3M) では妥当であったが, 2×10-3M以上の高濃度ではSDSの浸透作用によって物体間距離が10Å程度まで増大することが示唆された。酸化鉄粒子の脱離速度を検討した結果, 脱離は速い過程とおそい過程の二つから成り, 速い過程の速度定数はSDS濃度に依存せず, おそい過程の速度定数ksはSDS濃度が増加するにつれて増大した。付着後乾燥させた酸化鉄粒子では乾燥時間が長くなるほどksは減少した。
社団法人日本油化学会の論文