亜硫酸ナトリウムによるアゾ染料の退色に及ぼすシクロデキストリンの効果
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概要
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亜硫酸ナトリウムによるアゾ染科 (1-アリルアゾ-2-ナフトール, 1-アリルアゾ-4-ナフトール, 2-アリルアゾ-1-ナフトール) の退色に及ぼすシクロデキストリン (CyD) の効果を30℃で検討した。染料の退色機構は染料のヒドラゾン互変異性体の共役エノンに対する亜硫酸の付加 (C-付加), 及び共役イミノンに対する亜硫酸の付加 (N-付加) といった染料の反応部位に応じて2種に大別できる。主に1-アリルアゾナフトールでおきるC-付加においては, β-CyDの添加により, 染料のナフトール側で包接がおき, 退色が抑制されるのに対し, 空洞の径が小さいα-CyDの添加では, 退色の抑制は見られなかった。一方, 2-アリルアゾ-1-ナフトールに対しては, α-CyDは顕著な退色の抑制効果が見られた。この場合の抑制効果は染料のアリル側で包接がおきることから理解した。また, β-CyDはN-付加においても有効な抑制剤として作用した。このようなCyDによる退色の抑制効果について, 置換基効果, CyD空洞への染料取り込みの深浅, 染料の反応部位, 結合定数 (<I>Ka</I>) から考察した。
著者
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