黒毛和種去勢肥育牛にみられた糖尿病の一症例について
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概要
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15カ月齢の黒毛和種去勢肥育牛を食欲不振という禀告により往診した。この病牛は肺炎で過去5回治療し、今回も41.0℃の発熱がみられたので、抗生剤(ペニシリンG)の治療を行ったところ、平熱に戻ったにもかかわらず、食欲は廃絶していた。初診時の臨床症状は、T41・0℃、P64回/分、R24回/分、食欲廃絶、高度な削痩、元気消沈、腹囲膨満、被毛乾燥、多飲および頻尿が認められた。また右肺前葉においてラッセルが聴取され、発咳も認められた。血液検査所見では、ヘマトクリット値の減少、白血球総数の増加、好中球の増加および核の左方移動、フィブリノーゲンの増加、アルブミンの減少、β一およびγ一グロブリンの増加、A/G比の低下、著明な血糖の上昇、NaおよびKの減少、著明な血中遊離脂肪酸の増加が認められた。尿検査の所見では、糖++++、ケトン+++、pH6であった。静脈内ブドウ糖負荷試験では、高血糖の維持と半減期の延長が認められ、その間インスリンは4μu/ml以下の低値で終始した。コルチゾールはブドウ糖負荷30分で低下したが、60分後には負荷前の値に戻り、120分後には上昇した。以上の所見より、本症例は若年性の糖尿病と診断された。
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