ミトコンドリアの酸化的燐酸化システムに関する研究 : I. 高速液体クロマトグラフィーによる遊離ヌクレオチドの迅速高精度定量法
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概要
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酸化的燐酸化の研究に際して, 迅速でしかも高精度なヌクレオチドの定量法の確立が要求される。したがって高速液体クロマトグラフィーによる遊離ヌクレオチドの定量システムについて検討を行った。その結果, 約16分で10種類のヌクレオチドの分類定量が可能になった。遊離ヌクレオチドの定量に際し, 動物組織, 化学反応系共に酸抽出液をそのまま前処理なしに直接分析器に使用することが可能であった。アデニンヌクレオチドは約7分で分離定量が可能であり, ATP, ADP, AMP共に定量限界は10-12モルであった。ミトコンドリアの反応混合液からのアデニンヌクレオチドの回収率は良好であり, 酸化的燐酸化の研究に於いて有用な手法となることが解った。人血液, およびマウス脳中の遊離ヌクレオチド量の正常値についても検討を行った。人血液中のアデニンヌクレオチドは酸抽出液でもって, 約7分で定量可能であった。本研究に於いて検討を行った定量システムは遊離ヌクレオチドの分析が重要である生化学, あるいは臨床診断等の分野に応用出来る。
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