外耳道皮膚の混合腫瘍の1例
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概要
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外耳道皮膚に混合腫瘍が発生することは極めてまれで, 典型的な混合腫瘍としてはこゝに述べる症例は本邦の第1例といってよい. 症例は76才の男子で外耳道入口部に拇指頭大の無痛性腫瘍が発生し, 手術的に剔出して全治した.<BR>病理組織学的には極めて典型的な混合腫瘍であり, かつ術中にすでに混合腫瘍が強く疑われたので外耳道皮膚と腫瘍を一塊として剔出したのであるが, 標本の精査でもこの処置の妥当なることが確認された. すなわち, 腫瘍は皮膚から発生したものであり, 皮膚を残しては再発の危険性が大いにある.<BR>この結果は稀な症例の単なる呈示に止まらず, 混合腫瘍の処置の上に大切な示唆を示すものである.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 | 論文
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