高血圧症の前庭迷路に及ぼす影響に関する研究
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概要
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高血圧症にあつては, しばしば眩暈を招来し, また眩暈を訴える患者のうちには, 高血圧症患者が比較的に多いことは日常の臨床において, しばしば経験されることである.<BR>しかしながら, 高血圧症に見られる眩暈に関して耳科的に検討されたものは案外に少ない.<BR>著者は, 高血圧症と眩暈との関係を追求することを目的として, 高血圧症に関して実験的方面と臨床的方面との二方面から, 主として運動平衡機能について検討した.<BR>第1編においては, 家兎を使用し, 実験的に高血圧症を誘発させ, 自発眼振, 頭位眼振検査, 回転後眼振検査, 温度性眼振検査および自然減衰回転検査を行い, 術前と術後とを比較検討した. その成績はつぎのように要約される.<BR>1 血圧は術後, すべての動物において平均30〜40mmHgの血圧上昇を認めた.<BR>2 自発眼振はすべてに陰性であつたが, 頭位眼振は16例中12例 (75%) に認められた.<BR>3 回転後眼振検査では, 眼振持続時間には著明な変化は認めなかつたが, 眼振の頻度は明らかに減少した. 対照家兎の成績と比較した結果, これはResponse Decline現象によるものと考えられた.<BR>4 温度性眼振検査では, 術後, 眼振持続時間の短縮を認めたが, 左右差はなく, これもResponse Decline現象によるものと考えられた.<BR>5 自然減衰回転検査では, 術後著明な変化は認められず, 高血圧症と言う病的状態においても, 眼振と頭振とは同時性に発来し, 全く一致した.<BR>第2編においては, 高血圧症患者15名 (内分泌性1名, 動脈硬化性1名, 腎性2名, 本態性11名) について運動平衡機能検査 (その内容は, 自発眼振, 頭位眼振検査, 温度性眼振検査, 回転後眼振検査, 起立, 立ち直り検査としてのStatic functional ARG-testである) を行い, 検討した. その成績はつぎのように要約される.<BR>1 高血圧症については, 本態性高血圧症が一番多く, しかもStage 1が圧倒的に多い.<BR>2 著者の観察した高血圧症患者の20%近くに自発眼振が認められ, 40%に頭位眼振が認められた. 温度性眼振検査で異常を認めたものでは, CPを示すものが多く, 回転後眼振検査で異常を認めたものについては, 回転後眼振の亢進と低下がほぼ同じ頻度に認められ, Static functional ARG-testは約半数に異常が認められた.<BR>3 高血圧症患者について, 運動平衡機能検査で異常を認める率は一般的に病期の進展とともに高くなる傾向にあると言えるが, 必ずしも一致しないものもあり, 病的所見はバラエティに富んでいると言え, 個体の感受性, 個体の病理学的条件あるいは自律神経系の不安定等の準備的要素が大きな影響力をもつもののように考えられた.
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