上顎洞手術後の気流に関する研究
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概要
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この論文は, 上顎洞手術後の創腔ならびに鼻腔の気流の流路を屍体模型標本を使用して肉眼的に観察し, その気流の流出入機序を静圧を測定することによって解明したものである.<BR>鼻腔気流では, 殆んど正常鼻腔気流と同様であるが, 対孔部に一致して渦流を生ずるのが相異している. その渦流は吸気, 呼気時ともに下鼻道に生ずる.<BR>鼻腔および再生上顎洞に流れる気流は, 下鼻道の対孔および中鼻道の自然口部に作られた開放窓を通じて流れるのであるが, これは呼吸に際して鼻腔側および上顎洞側に気流による圧差を生ずることによって生ずるもので, そのことは静圧測定により立証することができる. すなわち気流は吸気時に自然口部は0.5mm H<SUB>2</SUB>Oの圧差で洞内に流入し, 対孔部は0.2mm H<SUB>2</SUB>Oの圧差で流入する. 呼気時に自然口部および対孔部の圧差は0.2mm H<SUB>2</SUB>Oの圧差で対孔より流入すると同時に自然口より流出する.<BR>自然口3×5mm, 対孔7×11mmの屍体模型標本の場合は, 吸気時自然口から洞内に流入し, 呼気時対孔より流入すると同時に自然口より流出する. 自然口, 対孔がこれより小さくなると気流の流路はほとんど同じであるが気流量が減少する.<BR>極端に自然口が小さくなり1×1mm, 対孔が10×10mmの場合には, 吸気時には対孔より流出し自然口よりの流出入は認められない. 呼気時にも対孔より流入し, 自然口部よりの流出入は認められない.<BR>逆に自然口部は開存されておって, 対孔が閉塞せる場合には, 吸気時, 呼気時ともに洞内に少量流入するのみで, 大部分は口周辺で回転する流れとなる. 煙の一部は洞内に停滞する.<BR>自然口6×6mm, 対孔6×6mm開存せる場合には, 吸気時に自然口より流入し, 対孔よりの流出入はない. 呼気時には対孔より流入し, 同時に自然口より流出する.<BR>以上の如き実験結果から, 手術的に開放された上顎洞と鼻腔との交通の間には呼吸に際して, いろいろな気流の流路が物理的法則に従って生ずることを立証した. 術創の治癒機転として, 如何なる術創の形態, 気流の流路が理想的であるかは速断できないが, 病態生理学的に考察を加えた.
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