失文法の言語学的分析
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概要
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失文法に関する従来の研究では, 失文法における言語障害の性質が十分に明らかにされておらず, 文法的要素を脱落させる傾向として促えるにとどまっていた.最近の大規模な失文法の国際的比較研究のプロジェクトによって, 日本語の失文法についての詳しい観察がもたらされたので, 本稿ではその主要な点について報告する.また, 最近失文法の一般的特徴についての仮説を模索する重要な試みがいくつかなされている.本稿では, そのうちKeanおよびGrozinskyの仮説を取り上げ, 上述のプロジェクトの結果と関連づけて, 批判的に論ずる.最後に, 語の概念に基づくMennの仮説が最も有望と考えられるので, これについて考察を加える.
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